サミュエル・カーティス・ジョンソンの妥協なき想いが実を結ぶ:SCジョンソン社の歴史は決して簡単なものではなかった
人はビジネスで失敗を重ねた後、はたして再出発できるのでしょうか。サミュエル・カーティス・ジョンソンはこれを実現し、53歳でついに成功をおさめました。
ファミリービジネスを始めるのは容易ではありません。SCジョンソン社の創業者は、逆境に耐え忍び、できる限り最良の製品を作る姿勢を見せてくれました。
サミュエルはウィスコンシン州のラシーンを自身の再起の場所とし、1882年に家族とともに移住してきました。50歳にもなろうとしていた彼は一般的な社員とはいえませんでした。しかし果敢にも、寄木細工の床材を売るセールスマンとして、ラシーンのハードウェア製造会社に入社したのです。4年後、彼はその床材事業を買収しました。
その後SCジョンソン社の歴史が始まります。会社はわずか社員4人でスタートし、サミュエルは休むことなく働き、営業、会計、管理業務をこなしました。そしてついに実を結んだのです。会社は創業1年目で純利益を出しました。
しかしさらに重要なことに、彼は床用ケア製品を開発し、1898年までに元々の床材事業全体を上回る売上を上げたのです。
サミュエルは他社が見落としていたチャンス、すなわち新しい床の見栄えをきれいに保つためのワックス製品に目をつけました。50代にして初めて彼の粘り強さが報われました。自分自身と手掛けた製品に対するサミュエルの信念が、事業を成長と成功に導いたのです。
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